【舐める】
……どうしてそんな気になったのか自分でも解らない。
ただ、いつも自分にしてもらう事を、ザックスにもしてあげたかっただけだ。
「無理しなくてもいいんだぞ、クラウド」
「……平気……っ」
改まって向かい合うと、まともに相手の顔を見れない。申し訳なさそうに覗き込むザックスを上目遣いに睨んで、ゆっくりと掌の中のモノを擦る。
胡坐を掻くザックスの下腹部に顔を埋め、恐る恐る舌を伸ばす。触る前から怒張している雄は、口に含んだ瞬間ピクっと小さく反応した。
「んっ……ふ……っ、ん……」
僅かに滲む先走りが苦い。クラウドは目を閉じて根元深くまで飲み込んで見せた。先端の割れ目に舌を沿わせて、前後に擦り上げる。亀頭の窪みに舌先を宛がい、飲み込めない唾液に滴る筋を手で扱く。
「っ……クラウド、上手いな」
さらっと髪を掬い上げられて、うなじを指先が掠める。それだけでぞくん、と感じてしまう。
「んく……、ん……っ」
肉芯を唇で食み、つ……と舌を這わせる。脈打つ筋。拭っても拭っても溢れる先走り。喉の奥まで銜え込んで、こくんと喉を鳴らす。卑猥な水音と荒い息遣いが、部屋を満たしていく。
先端を嬲り、迸るカウパーを飲み込む。苦しい。口を開けると唾液と精とで糸を引いているのが解る。
本当は口淫なんて好きじゃない。気持ち悪いし、恥ずかしい。するのとされるのでは全然違う。
だけど、してあげていると何故か興奮する。クラウドは反目してねっとりと雄を舐め取る。
「……ザックス、……気持ちイイ……?」
舌を出したまま上目遣いに尋ねる。ザックスが動揺したのが握った雄の様子で伝わる。
「……そういうエロい目線は反則」
ザックスが髪の毛にキスをする。そんなつもりじゃなかったのに。
「クラウドがしてくれるなら、何でも嬉しいよ」
睦言を囁くように。クラウドの背中を何かが走り抜けた。
「……ザックスも、反則……」
自身が疼くのを感じ取って、思わず下半身を抑えた。平静を装って、再びザックスを口にした。
不思議と、嫌な気持ちはしない。むしろ、もっと快感を与えてやりたいと思う。
ザックスが気持ちよくなれるように。
もっと。
「……っん、ふ……ん……っ」
ザックスが不意に後頭部を掴んで強請るように自身を押しやる。
「ごめん、クラウド……っ」
じゅぽじゅぽと音を立てて雄が前後する。無理やりに口を犯されているようで、クラウドは涙に滲む瞳でザックスを捉えた。
頬が紅潮して、浸るように目を閉じるザックス。
感じているんだ。クラウドは腰を掴んで、口いっぱいにザックスを頬張る。
「ぅく……っ!」
瞬間、口から引き抜かれたザックスは、クラウドの顔に向けて精を迸らせる。
「けほっ、はっ……、ん……」
放たれた精が目蓋から首まで滴り落ちる。あまりの事に、酸素不足の頭で何をされたか思い出す。精液塗れの顔でザックスを見やる。
「ごめん、出ちゃった……!」
慌ててザックスは頬に伝う精液を拭う。
「出すなら出すって……云ってよ」
「ごめん、クラウド……」
目蓋にかかった精液を舌で舐める。
「……にが」
「馬鹿」
鼻先にあるザックスの顔に堪らなくなって口付ける。舐め取られた精が重なり合う舌に絡みついてくる。ゾクゾクする。
「……クラウドも、してやろうか?」
さりげなくクラウドの膨らみに手を置いて、ザックスがほくそ笑む。見透かされている。
「……して」
頷いて、下腹部を撫でるザックスの手に自分の手を重ねた。
気持ちよくして。
ありったけの愛で満たして。
あの高みまで導いて。
上手く言葉に出来ないから、キスに託す。……今夜は眠れないかもしれない。けれど、ザックスと二人ならどんな夜も越えられそうな気がした。
END
UP:2008-02-28